さよなら、おキクさん




誤嚥性肺炎で2ヶ月前から入院していた友だちのおキクさんが亡くなった。

90歳だった。

彼女は永らくお店(八百屋)をやっていたせいかお人柄なのか、決して人の悪口や噂の類をしない。

見事なほどだ。そしてこの辺にはいないくらいの器量良し。

おキクさんの煮豆は絶品だった。

腕組王女がうずら豆好きなので、よーく「豆が煮えたよー。」と声をかけてくれた。

「あたしゃ、あんたのおっかさんが好きだったよ。」とアルツ女王様を懐かしんでくださった。

「母もおキクさんのことが大好きだったよ。」と必ず伝えた。

筍の季節には商売で中庭で大釜を出して筍を茹でて店で売っていた。

腕組王女はいつも大量買いしていた。だって安くて美味しかったんだ。

冬には、おキクさんの漬けた白菜漬けが最高だったよ。

焼き芋も店で売っていた。

「焼き芋が焼けてるよ。」と声をかけてくれたが、王女は焼き芋だけは嫌いだった。

「焼き芋は好きじゃない。」と毎度言うけどおキクさんは王女が芋好きと信じて毎冬声をかけてくれた。

年が離れていたけどいい友だちだった。

今日はおキクさんにお線香をあげて、長々と顔を見ていた。「やっと楽になったんだね。」 合掌