高齢の友人
久しぶりにおキクさんのところに顔を出した。
おキクさんは転んで肋骨を2本骨折していたんだって。
「エー、それで?」
転んで1週間ばかりは痛いので湿布の塗り薬をつけていたけど、やっぱり辛いので医者に行ってレントゲンを撮ったら骨折だって。
「そんなふうにしていて大丈夫なの?つまり入院とかしなくて。」
コルセット巻いてコタツの前の椅子に座っている。
でもそろそろは動けるから、足や手の骨折よりはマシだって。
正月以来会っていない旦那さまのサダオさんは歩けなくなって入院して3ヶ月経つから、来月は他のリハビリ病院に移動だって。
でも90歳近くなると人のこと(妻や夫のこと)は気にしていられないようで、自分の苦痛ばかりが重要になる。
さて、93歳のSさんの家にも行ってみた。
ちょうど娘さんが帰るところで「母の仲良しの腕組みさんが来てくれると嬉しいわ。母は二季展に出品するのも去年が限界だった。(イエイエ、たしか去年は骨折で出品せず、一昨年の作品が最後だ)今年はコロナで展覧会も無くなったからもう描かないとおもう。」と言う。
本人は腕組み王女が大好きで自分の周り(つまり老人友達)以外の話題を楽しみにしている。
が、耳が遠いので大声で話さなくてはならない。
3,4ヶ月ぶりで昔話をしばらく伺ってから元気そうなので、「次にいつ会えるかわからないけど、お元気でね。」と言ったら誤解した。
「いつ死ぬか分からないからと言う意味じゃあないのよ。コロナがいつ終わるか分からないから、以前のように大声でお喋りもできないってこと。」
この2月以来なんだか以前と全く違う人間関係になってしまったみたい。
楽しさが違うんだな。だからお互い笑顔が少なくなった。
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